活用できる特許を生み出すためのヒント「ライセンスによる事業のスケールアップ」
特許ライセンスというのは、中小やベンチャー企業の事業規模をスケールアップさせるものだと常々考えているのですが、そのイメージを以下に説明したいと思います。

「ライセンスにおける3つのリソース」のコラムで、リソースには大きく3つの観点があると説明しましたが、その3つの観点をこの3つの軸で表現しています。縦の軸は製造能力の大きさ、横軸は事業分野の広さ、斜めの軸は市場となる国の多さを示しています。
自社のリソースだけで販売できる数や、製造能力については限りがあり、自社設備で対象となるマーケットも日本のみ、かつ、自分たちの既存の事業分野のみであれば、事業規模はこの3つを掛け合わせた立方体のサイズということになり、実はもっと大きなマーケットがあるかもしれないのに、そこにリーチできてないということになります。

これを自社設備のみならず、ライセンスにより他社設備も活用できることで、日本だけでなく、中国、米国などで海外の特許を現地企業にライセンスすることも可能となり、自分で製造販売しなくても、海外のマーケットを開拓できます。
さらに、事業領域も既存分野での収益のみならず、応用分野の特許を保有しライセンスすることで、応用製品分野でのマーケットにもリーチすることができます。
結果として、自社のリソースのみであげる収益よりも、ずっとスケールアップした大きな立方体を作ることができて、何倍もの事業規模に拡大させることができるのです。