活用できる特許を生み出すためのヒント「ライセンス観点で考える3つのリソース」

ライセンスという観点で考えると、リソースも3つの意味合いが出てくると考えています。

⒈ 自社の製造リソース
 ここでのリソースとは、自社の製造設備、製造能力などを意味しています。自社の製造リソース不足を補うために、他社にライセンスを行い、他社の製造設備を使って、マーケットの需要に応えるのです。
 このようなライセンスするために必要な出願というのは、既存の自社製品に関する国内特許出願ということになります。

⒉ 海外での製造・物流リソース
 海外でも展開できそうなビジネスなのに、海外に製造拠点を置くことが難しく、日本で製造したものを海外に輸出するための拠点やノウハウがないために、マーケットがあっても、自社製品を販売できないという状況があります。
 そういったときに、その国での特許を保有していれば、現地の企業への特許ライセンスを行って、その企業がライセンスされた製品の製造・販売を行うことで、自社はライセンス収益を上げることができます。
 そのために必要となる特許出願は海外の特許出願ということになります。

⒊ 応用分野での事業リソース
 自社製品の売り上げを伸ばすために、自社製品を使ったその応用分野を拡大していきたいが、自分自身で事業領域を広げるリソースがない場合、すでにその領域で事業を行っている企業、すなわち顧客へのライセンスを行うことで、ライセンス収益の拡大を図ることができます。
 この領域で必要な特許は応用分野の特許出願ということになります。